広告やPRとして、モデルや有名な芸能人を使いたい!
と考えている企業は多いと思います。最近は個人のブランドでの著名人の広告利用もよく見かけます。
では、実際に新しい製品の広告塔にモデル・タレントを起用したいとき、どこに相談したら良いでしょうか?
「やっぱり、芸能事務所?最近は名前をウェブサイトで検索したら、すぐどこの事務所に連絡すればいいか分かるし。」
とはいえ、一人ひとりのモデル・タレントにターゲットを絞ってしまうと断られたり、思ってた以上に契約料が破格の場合だってあります。
なので、企業や個人で考える前にキャスティング会社に相談することをお勧めします。
製品のイメージやターゲットに合うモデル・タレントをいろんな視点からアドバイスしてくれますよ。
モデル肖像権の無期限使用(買取)とは
では実際に、モデルを起用して広告PRをしていくとなったとします。ここで重要となるのは、肖像権という言葉です。
肖像権とは、他人から無断で写真を撮られたり、撮られた写真が無断で公表されることがないように、主張できる権利です。今はスマートフォンで何でも撮影できる時代だからこそ、モデルやタレントの隠し撮りをSNSなどにアップする人もいますが、これも禁止行為です。
肖像権を侵害してしまうと、裁判に発展することもあるので気を付けたいところです。
この肖像権に関して、企業はモデルやタレントが所属している事務所と契約を結ぶことができます。
CMやWEB広告などの期間を決めて、モデル・タレントの肖像権を使う許可を得ます。
その他に肖像権を買い取るというやり方を提案してくる企業もあります。
業界的には使用期間を決めるがセオリー
基本的には芸能事務所はモデルの肖像権を買い取るという行為を嫌がるところが多いです。
なぜなら、無制限に期間を設定してしまうと、その契約に縛られてしまい、モデル・タレントの次の仕事や活躍にも同じように影響してしまうからです。
業界ならではの暗黙のルールである「ライバルである競合企業や競合商品に関する出演の制限・禁止」にひっかかってしまい、自由な活動ができません。
肖像権買取のメリット
それでも、せっかくなら肖像権を買い取って、企業の広告塔になっていろいろなPRを長くしてほしい。これには2つのメリットがあります。
①契約更新する手間が省ける。
②独占的にモデル・タレントを起用できる
すごく便利な気がしますよね。
では次にデメリットを見てみましょう。
肖像権買取のデメリット
肖像権を買い取ることのデメリットは3つあります。
①実は期間を決めないことによって、振り返ってみるとコストが高くつきます。
契約金は基本的に前金になっていますので、期間契約よりも最初にかかる費用が高くなります。
②モデル・タレントが何らかの事情でトラブルに合った時、企業や製品のイメージがダイレクトに下がってしまう可能性があります。
③同じ人を長期で使うことで製品をPRする上での新鮮味がなくなる恐れもあります。
この3つのデメリットを見ると、買取のリスクの方が目立ちますね。
モデル・タレント事務所も目先の利益のみを優先しているわけではありません。お互いにとって良い付き合いができるように、期間契約をすすめる理由が納得できるでしょう。
キャスティングのプロとしては買取はオススメしない!
基本的には、モデル・タレントの買い取りをせず使用期間を決めた方が良いです。
それは、事務所と企業(もしくは個人)にお互いにとってのメリットがあるから。
例えば、契約を更新する際に、「どういう効果があったのか」振り返る機会ができますよね。もし前向きな変化であれば、契約を更新すれば良いです。反対に思うような効果が得られなかった場合は、更新を控えて違う戦略に変えるという選択もできます。
広告やPRで商品や会社の運命が左右されるので、事務所としっかり話し合って、慎重に契約を交わしたいところです。
事務所が買取を受け付けない
そもそも、無期限の使用となると、事務所がNGを出すところがほとんどです。
芸能の業界もできるだけ、短期間でいろんな仕事をモデルやタレントにしてほしいと考えています。事務所としても企業や個人と計画的に契約することで、ビジネスは成立します。
お互いの信頼関係を築くためにも、契約書の段階でしっかり期間を決めましょう。
広告案件では知名度と経験が必要
最近は、いわゆる副業モデル・サロンモデル・フリーランスモデル、インフルエンサーなど事務所にきちんと所属していない人もいます。
このような方々と契約する場合は個人契約です。
ところが個人契約だと内容自体がずさんな事が多く、深く考えずに買取OKの人がいたり、費用がかなり安いという点があります。
広告案件では特に起用するモデルのイメージがとても大切です。そして、業界のキャリアをしっかり積んでいる信頼できるプロのモデル・タレントを起用することをおすすめします。
なぜなら、後にトラブルのもとになりかねないからです。
もちろん、プロとして事務所に所属しているモデル・タレントはしっかり契約内容を詰めて話し合うことできますし、何かあった時にも事務所を通してスムーズな連絡をとることができます。安心・安全で信頼できる仕事を求めるのであれば、「簡単に買取にOKを出すセミプロ」ではなく「契約期間を区切って相談しやすいプロ」とパートナーになる方がいい結果が得られるでしょう。
買取金額がとても高い
買取りのデメリットでも少しふれましたが、モデル・タレントの肖像権を無期限で買い取るとなると、期間を決めての契約に比べて契約金がとても高くつきます。
もちろん買取の金額はモデル・タレントや事務所によってそれぞれルールが異なります。
ですが、事務所によっては、買取は「通常の年間費用の10倍くらいでなければ考えれない。」というほどハードルが高いのが周知の事実です。
そして契約料金は前払いが基本になるので、企業や個人にとっても賢い選択ではないと思います。
まとめ
今回は、宣伝やPRでモデル・タレントを起用したいなと考えている方にむけて、肖像権の買取について説明しました。
①モデル・タレントをPRに利用するとなる上で大切な肖像権
②契約の際にきちんと使用期間を決めるのが重要
③肖像権を買い取るメリットよりデメリットのほうが多い。
④広告案件ではプロのモデル・タレントを起用する方が良い。
⑤買取となると契約金がとてもかかり、長い目で見てもコストがかかりすぎる
モデル・タレントを広告やPRで使うことはとても効果があるからこそ、契約内容をしっかり決めておかないと後々のトラブルや企業・製品のイメージを左右することになりかねません。
ぜひこの記事を参考にしていただき、まずは信頼できるプロがいる事務所に相談してみてください。